■秋彦さんの玉串チョップ

闇の中には、不気味な真っ黒黒の服を着たおぢさんが座っていた。

闇の中に彼の青白い顔だけが浮かび上がっていて、なんだか僕はとても怖かった。
おぢさんが言う。

『なんだい君は』
なんだいって言われても困ってしまうのだ。仙台…と言ってみようかとふと思い、やはりやめた。
『それで?君は何を落としてほしいんだ』
なんだかおぢさんは不機嫌なようだ。こんな仏頂面の人は見たことがない。いや、顔のことより返事をしなくては。
だけど僕は、なんと答えればいいのかやっぱりわからなかった。

おぢさんは溜息混じりに言う。
『ふん…君は自分の憑き物を自覚していないようだね』
漬け物?胡瓜や茄子のことだろうか。

『そんな状態でよくここまで辿り着けたものだ』
そう言いながら、おぢさんは面倒そうに小首を振った。懐から巻物を取り出す。
『君に憑いているものの正体を一緒に見つけてみるかい?』

そう言って彼は、此の世のものとは思えないような怖ろしい顔で、
…にやりと嗤った。

見つけてみる

やめておく