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■第三の質問・穴

声を震わせながらそう答える僕を見て、おぢさんの瞳に優しげな光が宿る。

『そうか…まぁ誰にとっても死は怖ろしいものなんだろうね』

そう言いながら四角い顔の男をきゅっきゅと元の匣に詰めてしまった。
死ぬのも怖いけど、さっきの男の顔の方がよほど怖ろしい。
そんなことを考えながらぼんやりしていると、おぢさんが再びこちらに向き直る。

『さて次の質問に行こうか』

思わず身構えると、おぢさんは天井から垂れていたひもを、かくんと引いた。
その途端、宙に浮く感覚。次いで地面にたたきつけられる。
どうやら床が抜けたようだ。上からおじさんが見下ろしている。
彼は言った。

『さぁ、何とかしてその穴から抜け出してみたまえ』
 

這いあがって一発くらわしてやるぜ!

そんなこと言われてもどうすりゃいいのさ…