■診断結果・中禅寺秋彦

『とうさんじんやわ』

僕がそう答えた途端、黒衣のおぢさんははっとしたように僕を見た。
彼の低い声が、しんとした空気を震わせて僕に届く。

『見えた…』

彼は億劫そうに懐から手を出し、顎をさすりながら語を継ぐ。

『君に憑いているのは世界に一匹しか存在しない天然記念妖怪ミケンジワだ。
 君はラッキーだ。運がいい。せいぜい大事に憑き合いたまえよ』

そう言うと、彼は僕の頭を軽く撫でて去って行ったのだった。
 

お祓い終了です。

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